研究支援 × 生成AIライトニングトーク 開催報告
「生成AIとURA業務の勉強会」と横浜国立大学URA育成教育研究センターとの共催により、オンライン(Zoom)にて研究支援 × 生成AIライトニングトーク を開催しました。今回は司会を一橋大学の安井氏が務め、参加者である4名のURAから、日々の業務における実践的な生成AI活用事例が共有されました。
1. 開催概要
- イベント名:研究支援生成AIライトニングトーク
- 開催形式:オンライン(Zoom)
- 共催:RA協議会 スキルプログラム専門委員会 認定「生成AIとURA業務の勉強会」、横浜国立大学 URA育成教育研究センター
2. プログラム ※一部AIによりチラシと異なるタイトルになっております
- 第3回公開勉強会の質問への回答・AI活用Tips(九州大学・安部氏)
- LT1:研究IR業務における生成AIの活用例(岡山大学・松本氏)
- LT2:Notion AIを活用した「探す・整える・回す」業務の効率化(山梨大学・山下氏)
- LT3:海外先行事例調査のためのインタビュー先選定(筑波大学・新藤氏)
- LT4:研究データ管理支援業務と各種AIツールの比較(横浜国立大学・松浦氏)
- 質疑応答セッション
3. 講演内容要旨
(1) イントロダクション:前回のQ&Aと最新Tips(九州大学 安部氏)
前回の第三回公開勉強会で出た質問への回答として、各AIツールの学習オフ機能についての解説がありました。また、最新の活用法として以下のポイントが紹介されました。
- AIの活用領域:未踏領域の調査、ファクトチェック、IR分析の叩き台作成、イラスト・動画生成など。
- URAの未来:単純なデスクワークはAIに代替されるが、AIを教え、AIを業務に実装する「新型URA」の需要が高まる。
- Tips:NotebookLMでのPDF読み込みのコツや、Google AI Studioを活用してPDFを自動でPowerPointスライド化する手法が紹介されました。
(2) 研究IR業務における生成AIの活用例(岡山大学 松本氏)
数字の正確性が求められる研究IR業務において、ハルシネーションに注意しつつ業務効率化を図る事例が紹介されました。
- データの整形:AMEDなどのWeb上の崩れたテキストデータの表形式への変換、氏名データの「姓・名」分割、名前からの性別判定(正答率97〜100%)。
- コード生成へのシフト:AIに直接データを処理させるのではなく、AIにPythonなどのコードを書かせて実行する運用へ移行。従来1週間かかっていた作業が半日に短縮されました。
(3) Notion AIを活用した「探す・整える・回す」業務の効率化(山梨大学 山下氏)
日常の雑務をNotion AIに任せ、複数機関のプロジェクト(AMED、COI-NEXT等)のプラットフォームとして活用する実践事例です。
- 探す(情報検索):蓄積したNotion内の情報から、事務処理手順や経理手続きをAIに即座に引き出させる。
- 整える(議事録):ミーティングノートからToDoリストを自動生成し、次回の打ち合わせ時に過去のやり取りや抜け漏れを瞬時に振り返る。
- 回す(日程調整):多数の研究者の日程調整を表形式で自動化し、最適な日程(必須参加者を含む)をAIに提案させる。
(4) 海外先行事例調査のためのインタビュー先選定(筑波大学 新藤氏)※動画発表
オーストラリアのオープンサイエンス・オープンアクセス事例を調査するにあたり、AIを活用して現地の有識者を探索した事例です。
- 専門家の探索:ChatGPTやPerplexityを活用し、メルボルン地区の専門的知識を持つ研究者をリストアップ。特にPerplexityは引用元が確認できる点で有用視されました。
- 翻訳支援:現地の専門家へアプローチするためのメール文作成や、ビジネス英語への翻訳にもAIをフル活用。
- 成果:ツテが全くない状態からでも、AIを使うことで適切なインタビュー先にアプローチ可能であることが実証されました。
(5) 研究データ管理支援業務と各種AIツールの比較(横浜国立大学 松浦氏)
研究データ管理の教育カリキュラム作成を通じたAI活用と、各ツールの特性比較がリアルタイムのデモを交えて解説されました。
- 研究データとAI:論文投稿規定等において、AI利用時の「プロビナンス(データの来歴)」確保が求められ始めており、研究データ管理の観点からもAIの利用動向に注視が必要。
- ChatGPT:指示が曖昧でもロードマップの提示やソースのリンク出力に優れ、ハルシネーションも減少傾向。
- Gemini:Googleドキュメントへの書き出しが便利だが、一問一答で途切れがちな傾向がある。
- Copilot:Wordなどのページに継続して追記・編集していく作業が得意。
- 今後の展望:NotebookLMによる独自ドキュメントベースの回答生成や、特定用途にカスタマイズした「エージェント機能」の活用がより有効になる。
4. 質疑応答(主な内容)
- Q:利用ツールの経費はどうしているか?
A:プロジェクト予算や大学経費で法人契約版(エンタープライズ版)を利用しているケースが多いですが、一部私費で契約しているツール(Gemini等)もあります。 - Q:個人情報や機密情報の処理はどうしているか?
A:個人名や機密内容は徹底して削除・秘匿化します。また、シチュエーションを一般的な質問にぼかして入力する工夫をしています。法人向けプラン(データが学習されない環境)を利用していても、機密情報の直接入力は避けるよう学内へも徹底しています。
5. 次回開催について
第5回公開勉強会は、4月以降の開催に向けて現在企画調整中です。詳細が決まり次第、メールやRA協議会のWebページ等でお知らせいたします。
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