第1回 研究推進のための生成AI活用講座 -はじめの一歩編- 開催報告
1. 開催概要
- イベント名: 第1回 研究推進のための生成AI活用講座 -はじめの一歩編-
- 開催日時: 2025年11月28日(金) 18:00~19:00
- 開催形式: オンライン(Zoom)
- 主催: RA協議会 スキルプログラム専門委員会 認定「生成AIとURA業務の勉強会」
- 参加者数: 約59名
2. プログラム
- オープニングトーク:司会 横田秀和氏(東海大学/勉強会メンバー)
- 勉強会の趣旨説明:渡邉 洋輔氏(神戸大学/勉強会代表)
- 講演:「研究推進のための生成AI活用講座 -はじめの一歩編-」
- 講師:安部 恵祐 氏(九州大学 学術研究・産学官連携本部 URA)
- 質疑応答
- 次回予告
3. 講演内容要旨
(1) 生成AI活用の現状とマインドセット
- 導入状況: 事前のアンケートによると、参加者の半数以上が既に業務で生成AIを利用しており、満足度も高い傾向にありました。
- AIリテラシーの重要性: 生成AI利用における「ダニング・クルーガー効果」を理解し、ハルシネーション(もっともらしい嘘)やワークスロップ(低品質な生成物)のリスクを認識した上での活用が重要です。
- 目指すべき姿: AIに全てを任せるのではなく、AIが得意な部分はAIに、人間独自の価値(職人プレミアム)が必要な部分は人間が担う「デジタル・ケンタウロス」のような働き方が今後のURAに求められると紹介されました。
(2) 具体的な活用ツールと事例
講師より、以下の主要なパブリックAIモデルの特徴とURA業務への応用例が紹介されました。
- Gemini (Google): マルチモーダル処理に強みがあり、手書きメモや画像の分析、スライド作成の補助などに活用できます。
- Claude (Anthropic): 自然な日本語文章の生成や「Artifacts」機能によるコード・図解生成が特徴。「Vibe Coding」の実演では、自然言語の指示だけで「研究助成マッチングサービス」のモックアップを即座に作成し、プログラミング知識がなくても要件定義の叩き台を作れる可能性が示されました。
- NotebookLM (Google) ※特に推奨: RAG(検索拡張生成)技術を活用し、ユーザーがアップロードした資料に基づいて回答するため、ハルシネーションが極めて少ないのが特徴です。大量の論文や公募要領の要約、規定集の検索など、研究支援業務との親和性が非常に高いツールとして紹介されました。
(3) セキュリティとプロンプト
- セキュリティ: 個人情報・機密情報は入力しないことが鉄則である点、各ツールの設定で学習への利用をオプトアウト(無効化)する手順が共有されました。
- プロンプト: AI自身にプロンプトを書かせる「メタプロンプト」や、思考過程を出力させる手法などが有効であると説明されました。
4. 質疑応答(主な内容)
Q1. ChatGPT、Perplexity、Claude等の検索機能の使い分けは?
A. 現状は複数のツールを併用している。Perplexityは検索に特化しているが、他のツールもWeb検索機能を強化している。用途に応じて、あるいは複数のツールで検索して結果を比較・統合して利用するのが良い。
Q2. 大学独自のローカルLLM環境の構築について
A.(岡山大学・小林氏からのコメント)岡山大学ではサーバーを用意しローカル環境を構築している。機密情報を安全に扱えるメリットは大きいが、初期投資や運用保守、専門人材の確保といったコスト・ハードルは高い。
Q3. 実演されたアプリは実際に運用可能なのか?
A. 講演で見せたものはClaude上で動くモックアップ(見た目と簡単な動作のみ)である。実際の運用にはデータベース連携などが必要だが、エンジニアと対話するための「叩き台」をURA自身が短時間で作成できる点に価値がある。
5. 次回開催予定
- 日時: 2025年12月19日(金) (時間はアンケート結果により決定)
- テーマ: NotebookLMを中心とした連携活用
- 内容: 研究支援業務において強力なツールとなるNotebookLMの詳細な使い方や、他ツールとの連携について深掘りする予定です。
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